2010/03/29

光景

桜の花びらが暗闇に舞う寒い春の夜。
心はむしろ光景から離れて行く。

炎が煙に変わる瞬間。
遠くで自動車のブレーキの音。
夜道を急ぐ足音。
空が低い。

空気は冷たいのに、暗闇は熱を増す。
川の水音は無闇に明るいところへと。
鳥たちは飛び立ち。
空はどこまでも透き通っていて、
同じ空にかつていた誰かがいたことを思い出す。

それから、
自動販売機の蛍光灯が鳴いているから。

0 件のコメント: